スウェーデン アンティークパインバスケット

7/06/2012



美しく飴色に変化した大きなパインバスケット。20世紀初頭にスウェーデンで作られたもので、手作業で丁寧に作られたバスケットは100年近くたった今でも頑丈で十分使うことができます。


薄く剥いだ松を斜めに編みあげ、少し厚めの木で周りを囲んだつくり。上部と両サイドにはハンドルがついています。このパインバスケットは、昔、移動時に使われたり、衣類や布等の収納に使われていました。運送にも頻繁に使われていた為、時々側面に貼られた郵送の送り状が残っているのを見かけます。

「スウェーデン人の心」と呼ばれるダーラナ地方では19世紀初めにこのパインバスケットを積極的に作り始めました。おそらくフィンランドのバスケットに影響を受けたものと思われます。パインバスケット生産の中心はダーラナ地方のヴォムフース。男性がそれぞれの家庭で作ったものをスウェーデン全体、特に首都ストックホルムに出荷したと言われています。北欧の寒さに耐えたまっすぐ生えた松の木、しかもゆっくりと成長した木だけを使うことでバスケットに強度をもたらしました。100年たった今でも頑丈なバスケットに出会うのはこの為だと言えます。


ひとつのバスケットにいくつかの郵便の送り状がみられることも。ランスクルーナやヴィースランダなど南スウェーデンの地名がいくつか見られます。たくさん旅行をしたこのバスケット。持ち主はどんな人で、何をしていたひとなのでしょう。


同じ送り状が椅子の裏面に見られることもあります。古い椅子の座面の裏にあった郵便のマーク。スウェーデンの南東部、スモーランド地方で作られたものが、南西部のマルメに送られました。

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