スウェーデン 1940年代 植物標本 (押し葉標本)

7/06/2012



スウェーデンを旅しながら出会った、3人のスウェーデン人が作った1940年代の植物標本。1人はスコーネ地方の海岸沿い、1人はスコーネ地方の小さな村、1人はイェヴレボリ地方の湖のほとりで採集したもの。短い春の景色を丁寧に閉じ込めるようにひとつひとつ丁寧に、凛とした姿で留められた草花は1枚1枚が穏やかな時間を閉じ込めた世界にひとつしかない作品。学名、スウェーデン名、採集日、採集場所、採集者を記載した手書きのラベルに70年の年月を感じます。


スウェーデンで植物採集、標本作成が盛んな理由にリンネの存在があります。「分類学の父」と呼ばれるスウェーデンの植物学者カール・フォン・リンネは、植物を分類する際に使う二名法(植物の属名と種小名をラテン語表記で表記し、命名者の名前を記載する)を体系化し、その分類法は全世界に広まり今日に至ります。

1800年代の中頃から1950年代までのスウェーデンでは自然教育の一環として学校授業で必ず植物採集・標本作成を学んでいました。1859年からは11歳からの生徒はリンネの植物分類方法を学ぶことが学校で義務づけられました。この学校での植物学習がアマチュア植物採集者の大事な基礎となっていったのです。リンネの存在がスウェーデン人としてのアイデンティティの一つと感じる人も少なくなく、今でも多くの人々が植物採集を楽しんでいます。


丁寧に貼られた押し花。ラベルから1944年8月12日に採集された事がわかります。

植物標本は、「HERBARIUM」と書かれたこのアルバムに挟んである状態で保存されている事が多い。

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